【フローラ88】37年間ありがとう！最後の1日の様子を見てきた

フラワータウンのシンボルとして、1988年の開業から37年間もの長きにわたって親しまれてきた商業施設「フローラ88」が、建物の老朽化や経営悪化を理由に、2025年2月28日(金)をもって営業終了しました。

フラワータウンで暮らすわたしにとっても、この場所は青春から子育てにいたるまでの日常を支えてくれた、特別な存在。最後の1日を記事に残しておきたいという衝動に駆られ、フローラ88の終幕をこの目でしっかりと見届けてきましたよ。

※本記事に掲載の写真はフローラ88の運営会社、北摂コミュニティ開発センター(COMS)さまの許可を得て撮影したものです。

ついにやって来てしまった、フローラ88最後の日

フローラ88の営業最終日、2025年2月28日(金)。最後の1日の様子を取材すべく、朝の10時過ぎに現地までやってきました。

あーあ、ついにこの日がやって来てしまった。あいにくの曇り空でちょっと薄暗い感じが、寂しさを抱えながらやって来たわたしの気持ちを代弁してくれているかのようです。

フローラ88が閉館するということは、駐車場や駐輪場も閉鎖されるってことか。ぶっちゃけ、通勤や通学でフラワータウン駅を利用する人も使ってただろうから、そういう人たちはこれから困るだろうなぁ。

フラワータウン駅側の入口横にある、三井住友銀行のATMコーナー。最後の日だから朝からたくさんの人が利用しているのかな？と思いきや、こちらは3月26日(水)まで営業されるみたいですね。そして4月28日(月)から、お隣のサンフラワーに出張所ができるそうです。

平日の午前にも関わらず、1階には行列ができるお店も

館内に入ってすぐの右手にあった「88文庫」。ちょうど1年前にオープンして、わたしも本棚オーナーをさせてもらってました。でも結局、あまり店番をする時間が取れなかったなぁ。

ちなみにこの88文庫、今後は「あきちらいぶらりー」に名前を変えて、「エキマエアキチ」に移転して継続されるそうですよ。

その向かいには、愛して止まない「サイゼリア」。もしかすると個人的に、フローラ88で利用したスポット第1位だったかも。ランチはもちろん仕事の打ち合わせで使ったり、家族でディナーを食べに来たり。

ずっと憧れていた「サイゼ飲み」もここで初めて体験させてもらったし、マジで何回来たかわからないぐらいにヘヴィーに愛用させてもらいました。だからこそ、なくなるのはホントに悲しい…。

その奥の「イオン三田店」は、売りつくしセールが開催されていました。フローラ88が取り壊された跡地には、イオンリテールがスーパーを中心とした複合施設を建設する予定らしいので、閉店じゃなくて「一時休業のため」って書かれてました。

専門店側をブラブラ歩いてると、ん？なんか行列ができてる。どうやら洋菓子の「FUJIYA」で、最後のケーキを買い求めようとしているお客さんみたいですね。それはそうと、付箋がいっぱい貼ってある手前のスペースも気になる。

フローラ88の思い出をハート型の付箋にしたためる、メッセージボードコーナーがありました。めちゃくちゃいっぱいのメッセージが貼られているけど…これ一体、何枚あるんだろう？

確かに37年前は、ネットもスマホもなかった時代。そんな頃からフローラ88の歴史はスタートして、多くの人の思い出に深く刻まれてきたんだなぁと思うと…あかん、涙腺崩壊しそう。

お寿司の「スシマス」に、お弁当の「はなぐるま」。その奥にインドカレーの「ムナール」があって、一番奥に見える「阪急ベーカリー」。それぞれに想い出深いお店ばかり。個人的には「はなぐるま」のおろしカツ弁当が大好きでした。

この景色がもう見られなくなるなんて、まだちょっと信じられないなぁ。

1階の中央にあった「御影新星堂」は、フローラ88の閉館に先駆けて、2月2日(日)いっぱいで営業を終了されていました。こちらもオープンの際には取材させてもらって記事にもしたので、思い入れのあるお店だったんですよね。

たこ焼きの「カトレア」と「マクドナルド」。隣接するフードコートは、若い子たちがキャッキャしてるイメージがあったので、ここで食事をすることは少なかったかな。でも、ハンバーガーやたこ焼きはめちゃくちゃよく買いに来たなぁ。

またまた「イオン三田店」に戻ってきました。生鮮コーナーと違ってレジ前あたりは、商品がもうほとんど残ってない感じでした。

わたしの記憶が正しければ、昔はこのあたりにフードコートってなかったでしたっけ？そんな記憶がありながらも、明確に覚えてなくて…。当時の写真とか持ってる人いませんかぁ？

「ジュエリー工房エル」と「日下琢道印房」の、老舗専門店エリアもこの日で閉店です。

「日下琢道印房」には、何度か印鑑を買いに来たり、自治会か何かの資料のコピーを取りに来たこともあったような。そんな遠い記憶を思い出そうとしていると…

フードコートのあたりに、いつの間にか行列ができてる！

この行列は、「カトレア」でたこ焼きを買おうとしているお客さんだったみたいで、ピーク時には4時間待ちになるほどの行列になってたんだって。

最後にたこ焼きの食べ納めしたかったんだけどなぁ。この行列を見て断念しちゃいました。

2階にも思い入れのあるお店がいっぱい！「懐かしの写真展」についつい長居してしまう

続いて、2階フロアにやってきましたよ。フローラ88の2階といえばやっぱり「アミーゴ書店」ですよね。お世辞にも品揃えが充実してるとは言えないですが、いかにも「街の本屋さん」って感じでメッチャ落ち着く場所でした。

子どものための絵本やマンガなんかも、ここでよく買ったよなぁ。

あと個人的に、フローラ88に来たら必ずやっていたルーティーンがこれ。「メガネショップササダ」の、セルフメガネ洗浄！たこ焼きの食べ納めができなかったので、せめてメガネの洗い納めはちゃんとやっとくかー。

「ブウゥィィ〜ン」と鈍い音の超音波振動とともに、眼鏡から浮き出てくる汚れには毎回、ビックリしちゃいます。この洗浄をし終わったあとは、めちゃくちゃ視界が良好になるんですよね♪

でもこれから、どこでメガネを洗えばいいんだろう…。

「アミーゴ書店」の隣に、「フローラ88 懐かしの写真展」というコーナーがありました。SNSでもここの様子をアップしている人をよく見かけたので、実際に観に行った人も多いんじゃないかな？

開館した時は「D-Land」(ディーラウンド)という名称だったんですよね。実はわたし、その時代にはまだ三田に引っ越してきてなかったので、当時のことは全く知りません。でもこの写真を見る限り、今と雰囲気それほど変わってなくない？

この記事の最初に載せた写真と、ほぼ同じ画角から撮られた一枚。なんなのかよくわからないけど、お花の形をした巨大なオブジェ？アーチ？が、バブル絶頂期だったあの頃のゴージャス感を醸し出してますね。

ほかにも興味深い写真がいろいろ展示されていて、普通の写真展を観に行ったレベルで長居しちゃいました。ほかにもあと何枚か、気になった写真を貼っときますね。

100円ショップの「セリア」と、イオンのファッションフロア。フローラ88で利用したスポット1位がサイゼなら、2位はセリアかなー。

一応、3階にもやってきましたが、入っていたテナントや文化教室などはほとんどが終了していたみたい。かなり閑散としている雰囲気のなか「フィッツミー」だけが唯一、営業してたみたいです。

ちなみにフィッツミーは3月7日(金)から、フラワータウン駅ビルに移転されるみたいですね。他の店舗の移転先とかって、どうなってるんだろう？情報を追いきれてないので、ご存じの方は教えてください！

1時間ほど館内をブラブラしてたみたいで、いつの間にかお昼の時間帯に。午後から別の予定があったので、とりあえず外に出てきました。

フローラ88とフラワータウンの駅ビルが並ぶこの景色も、もうしばらくしたら見られなくなるんだよなぁ。

フラワータウン駅からフローラ88へ向かうアプローチ。この歩道橋は取り壊されないと思いますけど、渡った先の景色がガラッと変わるんだと思うと、ちょっと楽しみでもありますね。

ここで一旦、フローラ88とお別れ。夕方からの閉館イベントが始まる頃に、また戻ってきます！

いよいよ閉館直前！フローラ88最後のイベント「サヨナラコンサート」には想像以上の来場者が！

午後からのひと仕事を済ませて、夕方頃にまたフローラ88に戻ってきました。うわっ、お昼前よりさらにお客さんが増えてる！

中央広場に向かうと、さらに多くの人たちが！なにやら、人だかりができていますね。

それもそのはず、17時30分からの「フローラ88 サヨナラコンサート」が、もうすでに始まっちゃってました！出演のミチコさん(右)と、ちめいど雄介さん(左)が、なにやらオープニングトークっぽい感じでお話してます。

メッチャ人集まってるやん…。フローラ88でこんな光景、もしかすると初めて見たかも。

2階からステージを見ているお客さんも、こんなにいっぱい！

フラワータウンのご出身で、初めてバイトしたのがフローラ88の「FUJIYA」だったというミチコさん。オリジナル曲を2曲披露し、持ち前の明るさとパワーで会場の雰囲気を一気に盛り上げていましたよ。

昨年の11月に「とっておきの音楽祭」を開催されたり、3階にハニーFMがあった頃はパーソナリティも務められたりと、フローラ88との縁も深い雄介さん。オリジナル曲を3曲披露し、こちらもめちゃくちゃ会場を盛り上げられました！

ま、マジですごいお客さんの数…。フラワータウンって、こんなに人いっぱい居ましたっけ！？

フローラ88最後のイベントを楽しんでいる人が多い中、これまでの思い出と閉館の寂しさが入り混じってか、涙を流している方もいたりなんかして、独特な熱気に包まれていた「サヨナラコンサート」でした。

演奏終了後の、雄介さんとミチコさんにご挨拶。「自分たちを育ててくれたフローラ88の最後の日に、こんなに素晴らしい雰囲気で演奏ができて、最高の思い出になりました！」と話してくれました。最高のステージを、ありがとうございました！

さて、残るは「閉館セレモ二ー」かと思いきや、その前に来場者に記念品が配布されるとのことで、わたしもその列に並んでみることにしました。こんな感じで蛇行するように並ぶのって、まるでユニバの人気アトラクションみたい。

並んでいる途中に、マッククルーの方たちが記念撮影をしている姿がが見えました。ぼかしを入れるのがもったいないぐらいに、皆さんいい表情！普段は見ることのできなかった、最後の日ならではの素敵な光景ですよね♪

それからも、専門店の通路を沿うようにして行列は続いて…

88文庫の前あたりで、イオン三田店のスタッフさんがお花を、フローラ88の運営会社、北摂コミュニティ開発センター(COMS)のスタッフさんが、クリアファイルを来場者に配られていました。なんだか、卒業式の卒業生になったような気分♪

ホントはこちらがスタッフさんに感謝のお花を贈りたいぐらいの気分なのに…。なんだかすごく温かい気分になりました。ホント、来てよかったです。

フローラ88と最後のお別れ「閉館セレモニー」

閉館セレモニーが行われるサイゼリア前の広場に出てきたら、今日一番の人だかりが。これ、初詣の神社の様子じゃないですからね！

1階はもとより、2階の歩道橋にも見物客がぎっしり。

イオンが19時に閉店して、すべてのお客様が退館したあとにセレモニーがスタートするとのアナウンスが。スタッフの皆さんが通路にズラッと並んで、最後の一人までお客様を見送っている姿が、とても印象的です。

そしていよいよ、「閉館セレモニー」がスタート。写真や動画を撮るのに気を取られてあんまりお話を聞けてないのですが、イオンのお偉い方とか店長さんとか、COMSの社長さんなどがご挨拶をされていましたよ。

フラワータウンにあるフローラ88が本日、地域住民に惜しまれつつ完全閉店しました。これだけ多くの人に愛されるんだから37年間の歴史と重みはやっぱりすごい。これからは姿を変えるけど思い出はきっとそれぞれの記憶の中に残っていく事でしょう。ありがとうフローラ88💐 pic.twitter.com/8jKSWjYUeZ

— さんだびより🏡三田を楽しむ情報マガジン (@sandabiyori) February 28, 2025

そして、シャッターがゆっくりと閉じて、フローラ88が37年の歴史に幕を閉じました。「あー本当にフローラ88閉館しちゃったよ…」って、この時にすごく実感が湧いてきて、思わず泣きそうになっちゃいました…。

さいごに

閉館セレモニーが終わってからも、しばらくその場から離れられないお客さんたち。その気持ちすごいわかる。わたしもなんか、しばらく呆然と立ち尽くしちゃってたし。

フラワータウンのシンボル的存在だった「フローラ88」。晩年は近隣の競合店舗に押される形で、集客が減少していたのは事実です。でも最後にこれだけの人がお別れに訪れるなんて、やっぱりフローラ88は本当に愛されていたんだなぁ、と実感することができました。

しばらくのお別れ期間を経て、また新たに商業施設が建設される予定。フローラ88に負けないぐらいに魅力的で、みんなから愛される施設になることを願っています。これまでの37年間の長きにわたる営業、本当にお疲れさまでした！