2018年11月2日、兵庫ブルーサンダーズ2018年シーズン報告会が開催されました。今年のブルーサンダーズは2位という残念な結果となってしまいましたが、「原点回帰、再生」をテーマに、チームはすでに来シーズンへ歩みだしています。
今年の球団活動のほか、嬉しい報告もあったシーズン報告会と、11月4日にアメニスキッピースタジアムで開催された兵庫ブルーサンダースOB戦の様子を、どこよりも詳しくご紹介します!
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鈴木監督からは謝罪の言葉と成果発表が
まずは、鈴木監督のご挨拶をご紹介します。拍手の中、壇上に向かった鈴木監督の口から出たのは、優勝を逃したことに対する謝罪の言葉でした。
「皆さん方の温かいご支援と応援とご声援をいただいて1年間野球をさせていただきました。本当にありがとうございました。そのご声援にこたえることができず、本年は2位という結果に終わりました。2位というと聞こえは良いですが、15勝17敗1分の負け越しです。これはすべて、わたくし監督の責任でございます。誠に申し訳ございませんでした」
深々と頭を下げる姿に、会場は静まります。
「昨年度の成績と主力を抜けた現実を考えると『この戦力でどうやって試合をするのか、リーグ戦が戦えるのか』と正直、不安でした。しかし最終戦を迎えるころには選手全員、野球が上手になりました。1年間で本当に成長しました。これが、わたくしが1年間やってきた成果です。最終戦は負けはしましたが、優勝した和歌山とがっぷり四つに組んだいい試合ができたと思います」
具体例として菖蒲キャプテンのバッティングを挙げ、選手全員の成長について「選手たちに感謝したいと思う」と話した鈴木監督。「わたしの地元の広島に比べて極寒。三田がこんなに寒いとは……」と、途中で笑いを交えながら今年を振り返り、
「来年もぜひみなさんのご支援をいただいて、【再生】をテーマに生まれ変わったチームになることを願っています。これからもどうぞよろしくお願いします」
と、話を締めくくられました。三田は近畿のシベリアと揶揄されるぐらいなので、監督の想像を超えた寒さだったと思います。鈴木監督、1年間お疲れさまでした!
嬉しい報告と、OB選手からの近況報告も
そして嬉しいお知らせは、三山篤郎投手が最多勝(8勝)を獲得したこと。表彰式のあと、本人からのコメントがありました。
「成績は8勝2敗1セーブです。途中けがをしたので、まさか自分がこんな賞をもらえるとは思っていませんでした。すごくうれしいです。来年の目標は15勝です。NPBに入りたいと思っています」
また、木山捕手が読売ジャイアンツにブルペンキャッチャーとして入団することの報告もありました。
「読売ジャイアンツの方から、独立リーグ出身で裏方がしっかりできる選手でなおかつ、欠員が出た場合に3軍の試合にも出ることができるレベルの高い選手が欲しい」と直々にオファーがあったそうですよ。
2016年に読売ジャイアンツからドラフト指名を受けた「山川和大」投手と、昨年の2017年に東北楽天ゴールデンイーグルスから指名を受けた「耀飛(田中あきと)」選手から届いた、ビデオメッセージも紹介されました。
山川投手「今年1年、プロ野球の厳しさをまた実感しました。来年こそは試合に出るという一つの目標を達成するために、今キャンプに取り組んでいます。いつか必ず皆さんを招待できるように頑張りますので、今後とも兵庫ブルーサンダーズと読売巨人軍の山川を応援してください!よろしくおねがいします!」
耀飛選手「新人合同自主トレからけがをしてしまいました。6月に回復し、ホームランも打ったりして自信もつきましたが、また8月にけがをしてしまいリハビリ生活の1年でした。この悔しさを絶対ぶつけたる!という気持ちです。来年こそは1軍の試合に1試合でも多く出られるように頑張ります」
「三田のファンの方々には今でも感謝の気持ちでいっぱいです。自分が活躍することによって、三田のファンの方々にも喜んでいただけると思います。来年は絶対にやってやる!という気持ちなので、応援よろしくお願いいたします」
ビデオレターの最後、両手に握ったハンドグリップをカチャカチャと握りながらフェードアウトする耀飛選手の姿に、会場では笑いが起こりました(笑)
来年度のテーマは「原点回帰、再生」
つづいて、球団活動についての報告をご紹介します。主な活動内容は以下の通りです。
- 朝の挨拶運動、三田祭りなど地域のイベントに選手を派遣
- ブルサンキッズクラブえがお(スポーツ教室)を定期開催
- 野球カードの作成、ラッピングバスの運営
- 通信制高校との提携「新育成システム・シリウス」がスタート
- あじさいスタジアム北神戸や隠岐西ノ島などで試合を開催
- 兵庫県障碍者スポーツ応援協定を締結
- メキシコ・ティファナでMLBトライアウトへ参加
- WBC台湾代表メンバーとレジェンド張泰山選手が来日。交流戦と井川投手との対戦も実現
- 韓国独立リーグとの連携協定を締結
- NPB球団(巨人・オリックス・DeNA・ソフトバンク)との交流戦を開催
- 米軍横須賀基地で米軍戦を開催
こうしてみると、盛りだくさんの1年だったことがわかりますね。
また、8月末に行われたサポーター会員を対象にした球団運営に関するアンケートの集計結果も発表されました。
「キッピースタジアムでの試合を増やしてほしい」
「HPの更新を早くしてほしい」
「SNSなどを使ってタイムリーに情報を更新してほしい」
など、さまざまな意見があったそうです。
これらの意見やアンケート結果を受けて、高下球団代表から『原点回帰、復活への道』をテーマにしたお話がありました。
「三田に来て1年目だった9年前、親会社から『来年から球団がなくなる』と言われました。そこから球団を運営していただくスポンサーや社長を募集し、挨拶に回ったりしながら9年間、手探りで球団を運営してきました。今では教育提携の実現や強化も落ち着き、選手が海外に行って野球ができる環境づくりや、プロ野球選手になる夢をかなえる場所づくりにも、ある程度の手ごたえを感じることができました」
「来年度は『原点回帰』として『三田を盛り上げる起爆剤になること』を目標に掲げ、再スタートしようと思います。ブルーサンダーズが三田にあることでたくさんの人に集まっていただき、明日の活力源になるような、そんなチーム作りにチャレンジしていきたいです。観客動員数を増やすこと、ファンサービスの充実にも力を入れていきます。応援のほどよろしくお願いいたします」
兵庫ブルーサンダーズOB戦はオールスター級の豪華さ
決意を新たにしたシーズン報告会から2日後の11月6日、アメニスキッピースタジアムで兵庫ブルーサンダーズのOB戦が行われました。対戦相手は近畿医療専門学校です。
ブルサンOBチームでも一番の注目を浴びるのはやはり、阪神タイガースでも活躍した井川慶投手でしょう。
「あんまり練習できていないんですが頑張ります」
「とりあえず試合になるようストライクを投げていきたいです」
とリラックスした様子で話していました。今日の調子はどうでしょうか、投げる前から期待とワクワクが止まりません!
そして先日結婚を発表した、ナックル姫こと吉田えり選手と鉄平選手。結婚発表後初の公の場ということで、観客のみなさんもこのツーショットを期待していました!
「ブルサン在籍時にわたしたちの交際が高下代表にバレてしまったのですが、見て見ぬふりをしてくれたことを感謝しています!」と、今だからあかせるお話も聞けました。ハッピーな雰囲気に、見ているこちらも思わずニコニコ。
今日はあの魔球の「ナックルボール」が見られるのでしょうか!楽しみすぎるぅ~!!
井川投手、圧巻のピッチング。吉田投手はDHで登場
待ちに待ったプレイボール。始球式のお相手は、近畿医療専門学校の小林理事長。まさかの粘りを見せて計8球。井川投手の思わぬ苦戦(?)に、観客席がどよめきます。
しかし試合が始まるとバッタバッタと三振を量産し、終わってみれば3回を投げてノーヒット6奪三振。ランナーは振り逃げで許した1人のみでした。「かっこいい……」とため息が出るほど、圧巻の内容でしたよ。
我らが高下代表はヒットで出塁。この日のためにランニングをするなど、こっそり練習してきた成果がバッチリ出てましたね!
注目の吉田えり選手も、DHで登場。
バッティングでも観客を沸かせます!
「代打・井川」に沸き立つスタンド。ナックル姫も健在
試合中盤、「代打・井川」のアナウンスにスタンドからは歓声が!OB戦ならではのファンサービスですね。バットを構えて打席に立つ井川さんなんて珍しい!観客のみなさんは一斉にカメラを構えていましたよ。
1打席目はフォアボールでしたが、2打席目はレフト前へのクリーンヒット!
走る姿も貴重です(笑)
まさに投打に大活躍!の井川投手でした。
「今日は登板しないのかな?」と思っていたところに、満を持して登場した吉田えり投手。
7回2アウトからマウンドへ上がると「ゆらしていこ~」の掛け声を背に、代名詞のナックルボールを投げ込んでいました。
あとこの日、大活躍だったのは鉄平選手。3塁打を含む4本のヒットに犠牲フライと大暴れでした。
「OBの皆さん、ちゃんと走れるんだろうか……」という心配をよそにブルサンOBチームは得点を重ね、終わって見れば10ー0で完勝!
選手の笑顔から「野球が好き」という気持ちが伝わってくる、とても楽しくてさわやかな試合でした。球場で野球を観戦するのって、ほんと楽しい!
来年こそは優勝とドラフト指名獲得を!
楽しかったOB戦も終わり、ブルーサンダーズはすでに来シーズンへ向けて動き出しています。もちろん目指すは優勝とドラフト指名!来シーズンもみんなで球場に足を運んで、兵庫ブルーサンダーズを応援しましょう!