2018年6月13日(水)、ウッディタウンのイオンシネマ三田ウッディタウンにて映画「あの日の君は泣いていた」の第1回上映会が開催されました。
この映画は「筋ジストロフィー」と診断され、現在も闘病を続けている「蔭山武史」さんの原作によるもの。大変なご苦労がありながらも自身で綴った小説を映画化するという、念願の夢が叶った瞬間でもありました。
上映後には、映画の主題歌や挿入歌を手がけた「ちめいど」のおふたりのミニライブもあり、お客さんと関係者の全員で感動と喜びを分かち合った、大盛況の上映会となりましたよ!
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映画「あの日の君は泣いていた」第1回上映会概要
- 日時:2018年6月13日(水) 18:30〜20:00
- 会場:イオンシネマ三田ウッディタウン 4スクリーン
- 入場:1,800円(高校生以下1,000円)
期待と祝福のムードに満ち溢れていた上映会会場
上映会の会場となったのは、イオンシネマ三田ウッディタウンの4スクリーン。定員100人のチケットが売り切れたという人気ぶりで、開演前から続々とお客さんが集まってきます。
この方が「あの日の君は泣いていた」の原作者、蔭山武史さん。蔭山さんの事をよく知らない方のために、簡単な経歴をご紹介しておきますね。
蔭山武史(デュシェンヌ型筋ジストロフィー) 神戸市在住
昭和51年6月28日生、大阪府豊中市出身。血液型O型 左利き
5歳の時に全身の筋肉が徐々に衰えていく難病「筋ジストロフィー」と診断される。
小三の時、兵庫県の病院に入院。上野ヶ原養護学校に転校して小、中学部・高等部に通う。
29歳の時、肺炎で気管切開をして声を失う。
現在は在宅で24時間呼吸器をつけて寝たきりだが、SNSで情報発信を続け、イベント企画や「NPO法人もみの木」で筋ジス患者支援をしている。
作詞「雨の雫」など、ちめいどと4曲コラボ。
著者「難病飛行」は舞台にもなった。来年、大阪で第2弾舞台予定。
筋ジストロフィーという難病で筋力が衰えているため身体が自由に使えず、わずかに動く顎で特殊なマウスを操作しながら、SNSでの情報発信や執筆活動などを続けられている蔭山さん。
今回の映画は、10年ほど前に書き上げて2016年11月に自費出版した短編小説が元になっています。その頃からこの原作を映画にすること、そして映画館で上映することを夢見て、映画製作会社などに製作依頼のメールを送ります。
しかし、なかなか製作を受け入れてくれるところは見つからない……。普通ならここで諦めてしまうところですが、蔭山さんは全く諦めません。その後も製作依頼のメールを送り続け、その数はなんと100社以上にも及んだとか!
そんななか、京都大学の学生映画サークル「雪だるまプロ」との出会いがあり、蔭山さんと学生たちとが協力し合って今回、映画が完成したということです。
開演時間になる頃には、ほぼ満席の状態に。会場内は、どんな映画が完成したのかなという楽しみと、この日の上映会を迎えられたお祝いの空気に満ち溢れていましたよ。
いよいよ上映スタート!学生の日常のリアルな描写が印象に残る作品
そしてお待ちかねの上映がスタート!ネタバレになるので映画の内容は詳しく書きませんが、ざっくりとだけお話すると、主人公は大学生の男の子。同じサークルで出会った女の子のことが気になって、次第に仲良くなっていくのですが……ふたりの関係は思わぬ方向に。
学生さんが製作されたということで、細かい部分での「素人っぽさ」はあったのですが、それがむしろ日常をよりリアルに描けているような印象を受けました。
決してハッピーエンドではないんですけど、見終わった後にいろんなことを考えさせられるような、そんな深い内容に仕上がっています。
そして上映後には、2年前のイベントで蔭山さんと一緒になってから親交があるという、香西志帆監督の短編映画「しまごと小豆島」の上映もありました。
こちらも内容までは詳しく書けませんが、映画のシーンが使われた主題歌のPVがYoutubeにアップされていたのでご紹介しておきますね。こちらもステキな映画で、主演の「吉田まどか」さんがとにかく可愛かったな〜(笑)
上映後には主題歌を歌う「ちめいど」のミニライブ!
そして2本の映画の上映後には、映画の主題歌「雨の雫」を歌い、蔭山さんとの親交も深い「ちめいど」のおふたりのミニライブがありました!ここでお客さんのテンションがもう一段アップします!
客席の蔭山さんもノリノリ!(笑)
ちめいどのおふたりも「武史さんがどんどん新しいことに挑戦して、夢を実現する姿にいつも勇気をもらっている。武史さん夢だった映画が上映されて、その後に自分たちも歌わせてもらって……そんなコラボができたのがスゴくうれしい!」と話されていました。
蔭山さんをはじめ、ご家族やスタッフの方々も無事にこの日を迎えられて、感無量のご様子でした。
主題歌の「雨の雫」をはじめアンコールを含めて5曲を演奏。いつも感じていることですが、ちめいどさんの曲はメロディーとハーモニーが美しくてやさしくて、歌詞を噛み締めながら聞き入るとジワ〜っと心があったかくなります。
それでもライブの終盤はテンションがさらにアップ!おふたりが客席中央の階段を駆け上がってくる、うれしいパフォーマンスも!
そしてあっという間にライブも終了し、映画「あの日の君は泣いていた」の第1回上映会は、これにて終演となりました。ちなみに2018年の秋頃には、2回目の上映会が検討されているそうですよ!
会場を後にするお客さんも一人ひとりが蔭山さんに「良かったです!」「おめでとう!」と声を掛けていらっしゃったのが、とても印象的でした。
さいごに
筋ジストロフィーという難病と闘い、時には向き合いながら小説を書き上げ、映画化するという夢を実現された蔭山武史さん。そこには想像を絶するほどに大変なご苦労があったことだろうと思います。
映画もとても素晴らしい内容でしたが、不自由で困難な状況でも諦めずに夢に向かってチャレンジする、蔭山さんの芯の強さとエネルギッシュさに本当に感動しました。
この日に訪れたお客さんもきっと、映画の感動と蔭山さんのパワーに心を打たれて、それぞれが大切な何かを感じた一日になったことでしょう。